ガジュマ・リウラに捧ぐ


 この物語を読む者へ
 これは、私がかつて綴った物語。私の遠い日の物語。
 二度と戻りはしないその日々を私はここに語ろうと思う。
 かつてのその物語は忘れられてはならない。決して隠されてはならない。
 それは誰にでもある日々で、誰にでもある物語なのだから。
 どうか、この物語を忘れないで欲しい。
 どうか、この国にかつて起こった出来事を忘れないで欲しい。
 
 今こそ、私は語ろう。
 この「犠牲の物語」を。



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